世田谷線をよく利用する。一言でいえば時代遅れのようで時代の最先端を行く鉄道である。

今回はある日の出来事を書きたいと思う。料金の支払い方法は駅によって違うのだが、小さな駅では、乗車時に運転手か車掌に140円を払って乗るようになっている。私は5000円札しかなく、それを運転手に渡したところ、札は1000円しか使えないとのこと。私は困ってしまい、諦めてどこかで両替しなければならないなぁと思ったが、車掌さんは、もう少し先の駅に行けば両替ができるから、とりあえず乗ってくださいと言ってくれた。うれしかったが、一方で、自分の中に悪い気持ちがふとわいた。世田谷線では降り口には改札がなく、一旦乗ってしまえば降りるだけである。乗ってしまった私は、両替と支払いをせずに自分の行きたい駅で降りてしまえば、わかりゃしないのではないかと・・・ しかしそんなことをしてもやましいだけだ・・・なんて思いながら両替する駅に電車が到着して電車を降りた。その時である。驚いたのは、1000円札を5枚もった駅員さんと運転手さんが、私を探しているではないか。駅員さんは、両替できずに済みませんでした、こちら1000円札です と。もちろん、喜んで運賃を払った。事前に運転手が駅員さんに連絡を取ってくれていたのには本当に驚いた。
電車なのにこの暖かい対応。 本当に世田谷線はすばらしい電車だと思います。永く愛用していきたいと思う。